サムエル記上16：14-23 マルコによる福音書5：1-20
イエス様は、人間を苦しめている存在、汚れた霊（レギオン）が、この人から出て行くことで、墓場を住みかとする人を救い出そうとします。人間が墓場を住みかとして生きるべきではありませんし、人間が何者かに支配されて、自由を奪われたまま生きることはあってはならないからです。汚れた霊、それはレギオン、軍団と自分たち自身を名乗りました。レギオンは、何かに寄生しなければ生きられない、存在できない何かです。しかもレギオンは、この地域、この土地にも固執しています。イエス様が、出て行くことを命じたのに、レギオンはこの土地から去らせないことを願っているからです。そうしてレギオンは、人間をこの地域に縛り付け、墓場に縛り付け、死者の中に縛り付けて来たのです。そんなレギオン自身も自由であるのではなく、自分たち自身がこの地方や人間たちに寄生し、縛り付けられてもいるのです。この大事件は、この地方の多くの人々に知られることとなります。そして、人々は、イエス様にこの地方から出て行ってくれることを願うこととなります。何故なら、イエス様がこの地方におられることは危険であると判断されたからです。イエス様がおられることで、この地方で同じことが起こることを危ぶみました。方や墓場を住みかとしていた人は、イエス様と一緒に歩むことを願うのですが、イエス様はこれを拒否しました。イエス様は、この人が、自分の家に帰り、家族のもとに帰ることを求めます。人間を支配し、自由を奪っていたものから解放された人間をイエス様は、人間が生きて生活する家へと、家族のもとへと返します。それは、神様がイエス様を通して、人間世界への働きかけ、神様の御業を示しています。汚れた霊と違い、神様は人間を支配したり、束縛したりすることもありません。イエス様は、神様は、これまで遠ざけられていたゲラサの人々のように、何も知らされていない人々と出会おうとしてくださっています。神様と人間たちとの出会いが与えられ、神様の深い憐れみを人々が知るようになりますように。