2020年7月26日 朝礼拝『生き延びるために』大賀幸一牧師

イザヤ書43:3-5 使徒言行録27:33-44

 今日も使徒言行録をご一緒に読みましょう。パウロはローマ皇帝に上訴したためローマに護送されることとなりました。護送の途中、地中海のクレタ島沖でエウラキロンという嵐に遭遇し、航行不能に陥ってしまいます。クレタ島で嵐に遭い、漂流して14日間、276名の乗員乗客は飲まず食わずで、不安の中生死の境を漂っていたのです。パウロは人々に声を掛けました。14日間不安のため、死の恐怖のため、何も食べずに来たが、生き延びるためには、何かを食べて元気を出しなさい、と勧めたのです。次の日、パウロたちの船は、マルタ島に辿り着き、何とか全員無事に上陸し、生き延びることができるのです。14日間も飲まず食わずでした。死の恐怖から、不安からです。こうした時人間は食べる力を失ってしまいます。パウロの言葉も十分には人々の心には入って行きませんでした。しかし、パウロと同じ船に乗った人々の命は救われるのですが、誰もそれを知りませんし、信じません。死の恐怖に支配されて食べることも失ってしまう、追い込まれてしまい生きられるのに死を選ぶしかないと思い込んでしまうのです。今日のイザヤ書、私たちの神様の目に、あなたは高価で貴いと見えていると示されているのです。神様はどんな時でも私たちを高価で貴い存在だと見ていてくださることは確かです。そんな高価な命は、外から何かを入れなければ生きて行けません。私たちの命というものは、いつも外から何かを入れていかなければ、保つことができない命です。時に恐怖と不安とが私たちに死を突き付けたとしても、神様は私たちの命を尊いものと見守り続けてくださいます。そして生き延びるために食べてください。神様が与えてくださる命の糧、神様の御言葉を食べて、御言葉の示す恵みを受けてください。