12月22日 朝礼拝 『すべての民に大きな喜びを』大賀牧師

イザヤ書7:10-14、ルカ2:1-20

1)月が満ち 
 イエス様が誕生されたのは、ユダヤのベツレヘムであることはほぼ間違いないことでしょう。しかし、マリアとヨセフがそれまでどこに住んでいたのかは、明らかではありません。ルカ福音書では、マリアとヨセフはガリラヤのナザレからベツレヘムと出かけています。しかしマタイ福音書では、マリアとヨセフがそれまでどこに住んでいたのか示していません。ただしイエス様はベツレヘムでお生まれになったと記されています。マタイ福音書では、イエス様の命を狙うヘロデ大王の魔の手から逃れるためにエジプトへ行き、ヘロデ大王の死と共にユダヤに帰って来たのですが、ヘロデ大王の後を継いだアケラオという人物を嫌い、ガリラヤ地方ナザレに移り住んだとなっているのです。しかもマリアは身重の身でありながらです。どうしてそうなったのかは、すべてローマ皇帝の責任です。ローマ皇帝は税金を取り立てるために勅令を出して、ローマ帝国の支配下にある属州の住民たちに住民登録を行わせたのです。そのためヨセフの出身地ユダヤのベツレヘムに行かねばなりませんでした。マリアとヨセフには、これからこどもの出産という大事なことがあります。当然この夫婦も準備を行って最初のクリスマスを迎えようとしたことでしょう。しかし、それが不可能になったのはこの住民登録のせいです。“月が満ちて”と記されていますから、イエス様の誕生は予定通りだったのです。その準備もなされていたことでしょう。しかしイエス様は準備のないベツレヘムで、人間のいる場所でもなく、生まれる場所でもないところに生まれたのです。そこには神様の計画を妨害しようとする人間世界の力が働いているとし思えません。それでも、神の子イエス様は私たちの世界に生まれてくださいました。神様の御業は、必ず成し遂げられるのです。

2)すべての民に与えられる 
 イエス様誕生の知らせは、ベツレヘム郊外で羊や山羊を飼っていた羊飼いたちに知らされました。神様の遣わされた天使たちが、突如羊飼いたちの目の前に現れ、この不思議な知らせを伝えたのです。その情報は、ベツレヘムにあなた方の救い主が生まれた。この知らせはすべての民に与えられるもので、神様は限られた人だけに与えるのでなく、すべての人に向けてこの知らせを与えた、とあります。そしてその救い主は、飼い葉桶に寝かされている乳飲み子である、ということでした。

3)私たちの救い主イエス様は、生まれたばかりの小さな乳飲み子として与えられました。それは私たちがイエス様を守って行くべきものとしてあるからではないでしょうか。私たちは小さな乳飲み子を放っておくことはできません。大切に守り、育てて行くことが私たちに与えられているのです。私たちは毎年クリスマスを迎え、祝っています。それはただ喜ぶだけでなく、毎年新たに私たちに所に来て、生まれてくださるイエス様を私たちは大切に守り、育て、仕えて行くためにクリスマスがやって参ります。今年も私たちのところにイエス様が来てくださいました。そして私たちはこれからイエス様に仕え、守り、育てて行くのです。