2019年11月3日 朝礼拝 『取って食べるな』大賀幸一牧師

創世記3:1-15、ヨハネ3:13-21

1)神の御言葉、
 蛇の言葉  私たちは、神様の御言葉と蛇の言葉とを正しく見分ける、正しく選ぶことができるでしょうか?エデンの園に象徴される出来事は、神様と人間との間に起こったことを象徴的ですが、実に深く表している物語です。先ず神様は、「園のすべての木から取って食べなさい。但し、善悪の知識の木からは、決して食べてはならない。食べると必ず死んでしまう」と言われました。蛇と呼ばれる謎の生物が言います。「園のどの木から食べてはならないなどと言われたのか」。これは完全に間違っていますね。女は何と言ったのか。「園の木の果実を食べても良いのです。園の中央に生えている木の果実は食べるな、と言われました。死んではいけないから」。女は正しいです。さらに、触れてもいけない、と神様が言わなかったことまで言って、神様が言われたことをしっかりと聞いて、大切に守っていることが伺えます。さらに蛇の言葉は、「決して死なない」。これもまた間違いです。神様の御言葉とは全く正反対です。蛇は、食べると神様のように何でも知ることができます、と言いました。これを聞いた女は、自分の判断、選択で神様が必ず死ぬと言われた御言葉に反して、取って食べたのです。人間は自分で選んで、蛇の言葉を選んだのです。

2)裸であることを知った 
 それで人間たちはどうなったのか。神様は必ず死ぬと言われたのですが、死んでいません。人間たちは、自分たちが裸であることを知ったのです。裸であることを知ったというより、裸であることを知って、恥ずかしくて隠さなければならなかった、ということです。それは小さなことのように思えますが、人間は神様が与えられたままの命ではいられなくなった、自分を隠さないといられないぐらいの存在になってしまったということです。それまでは、裸であろうと何も恥ずかしくも隠すこともなかったのですが、神様から隠れて逃げ出さなければ生きられない生き物になってしまったのです。以来人間はずっと神様から逃げ回っているのです。男は言います。「神様が近づかれるのが分かって、恐ろしくなり隠れております」。これが神様と人間の関係を決定づけています。神様が働きかけなければ、人間はどんどん神様から離れて行くのです。

3)死なないように 
 神様が御言葉を与えてくださった理由は、私たちが死なないようにです。それなのに人間たちは自分たちの判断で、選択で、神様の御言葉に反して進んで行きます。現代においても、神様の御言葉は、私たちが死なないために与えられています。しかし、いったい誰が神様の御言葉を聞いているでしょうか。神様の御言葉を聞き、蛇の言葉を聞いて、私たちはどちらを選んでいるでしょうか。神様の御言葉に反する蛇の言葉を選んでいるなら、間違いなく私たちは、アダムとエバのこどもたちです。今も神様から逃げ出さなければならない人間のままです。そうであっても神様の御言葉は、私たちが生きるために与えられています。「独り子をお与えになったほどに世を愛された。一人も滅びないで永遠の命を得るためである」。私たちの主イエス様が来られた訳はこれです。神様の御言葉がどれだけ私たちの人生、命に必要なことでしょう。御言葉を聞いている人々は何と幸せなことでしょう。