2019年10月27日 朝礼拝 『神は言われた』大賀幸一牧師

創世記1:1-5, 24-31、ヨハネ福音書1:1-14

1)神は言われた 
 世界は神様の御言葉によって成り立っています。ヨハネ福音書にも、最初に言葉があった、と記されていますように、世界の初めにあるのが言葉、神様の言葉なのです。たとえば、建物や構造物は、たいてい設計図があります。命にも設計図があります。例えば人間の設計図であるDNA、通常は見えません。しかし誰にも、どの命にもDNAがあります。ちゃんとした設計図が命にはあるのです。私たちは、神様の御言葉によって世界は誕生し、命は造られた、というこの教えの中に、世界も命もすべては神様の御言葉によっていると考えています。もちろん世界も命も神様によって生まれたのではなく、勝手に偶然に生まれたと考える人たちもいます。ですがそれが証明されているわけではありません。私たちは、神様という慈しみ深い存在が私たちの命、世界の原点であると考える方が論理的、正しいと考えるのです。

2)天地を造られ、光を造られた 
 神様は、そのみ言葉によってまず天と地を創造されました。私たち人間たちが住んでいる大地だけでなく、天を創造されたのです。天とは神様がおられるところではなく、霊的な世界です。ですから天国は最初から用意されています。肉体を持った人間の世界だけでなく、肉体の生活を終えた人間たちの世界が最初から用意されています。そして神様がまず創造されたのが、光です。それは命のためです。光がなければ命は生まれません。命を創造するために神様はまず光を創造されました。そうして、世界は、命は、混沌から秩序あるものへと進んで行きます。簡単なものから高度なものへと進んで行くのです。そして世界はすべて海でした。海の中から陸が分かれて現れ、その陸、大地から様々な生命体が生まれています。この時も神様の御言葉が、大地に語り掛けています。大地は命を生み出します。しかし神様の御言葉はその命の中にありますから、見えることはありません。そして人間が誕生しました。命の最後に誕生した人間。人間の創造が、神様にとって特別であることは間違いありません。神様にかたどって人間が創造されたと示されているからです。しかし「神様にかたどって」が何を示しているのか不明です。なぜなら私たち人間ははるか昔に神様から離れてしまったので、「神様にかたどって」を失っているからです。

3)産め、増え、支配せよ 
 神様は人間たちがどんどん増えて行くことを認めておられます。そして世界を支配することを命じました。しかしそれはすでに失われています。人間が世界を支配するどころから、人間が自然に支配されていることは間違いありません。もちろん支配とは、人間が好き勝手にするという意味では全くありません。しかし、神様はあらゆる命に食べ物を与えて、命を養うことを約束されています。あらゆる命に食べるべき青草を与えるとされているのは、そういう意味です。ところが食べる者のない人間があります。その点を見ても、いかに今の私たちの世界が神様が創造された世界と違っているかを示しています。それでも神様の御言葉は世界と命の初めからあり、今も世界と命と共にあるのです。