2018年11月11日 朝礼拝 『私は笑いません』大賀幸一牧師

創世記18:1-15、ルカ福音書3:1-14

1)アブラハムとサラ 
 今日読んでいただいたのはアブラハムさんとサラさんという老夫婦のお話でした。アブラハムさんは99歳、サラさんは90歳です。そんな二人が生活している所に、3人の旅人がやって来ました。昔々は全然知らない人でも、旅人が来たなら、ご飯を食べさせたりして、歓迎することが当たり前でした。というのは、時々大事な人が旅人としてやってきたりするからです。特に神様が遣わされた大事な人が旅人としてやって来る場合があるからです。アブラハムさんは3人の旅人に、とても美味しい食事を用意してもてなしました。そんな時、旅人から、来年サラさんにはこどもが生まれているでしょう、とびっくりするようなお話が飛び出ました。サラさんは旅人の話しが聞こえてしまい、そんなバカな話があるか、と笑ってしまいました。アブラハムさんもサラさんもおじいちゃん、おばあちゃんなのですから。でも旅人は言いました。どうしてサラさんは、私の言ったことを信じないで笑ったのでしょうか。神様が約束されているのですから、必ずサラさんに来年こどもが生まれています、と言われたのです。ちょっと信じられない、不思議なお話です。実はアブラハムさんにもちょっと前同じことがありました。100歳のおじいさんと90歳のおばあさんに、こどもが生まれるはずがないだろう、と笑ったのです。でもアブラハムさんにこのお話を伝えた神様の使いは、サラさんにこどもが生まれる、その子をイサクと名付けなさいと。イサクとは、彼は笑う、という意味なのです。アブラハムさんもサラさんも、そんなバカなことは起こるはずがないと笑ったのですが、彼らは本当にこどもが生まれて、大きな喜びの中、本当の笑いを知る事になりました。ちょっと迷惑な話にも聞こえることですが、どうして神様は、アブラハムさん、サラさんに、長年与えられなかったこどもを与えてくださったのでしょう。それは、神様がアブラハムさんと約束されたからです。神様は、約束されたことを必ず実現してくださいます。約束を守るということ。私たちも大事にして行きたいと願います。

2)洗礼者ヨハネ 
 もう一つ聖書のお話を読んでいただきました。このお話は、クリスマスを迎える準備の時に読まれるお話です。世の中で一番クリスマスを迎える準備が遅いのが教会です。町中がクリスマスの準備が始まっているのに、教会がクリスマスの準備を始めるのは、クリスマスの4週間前と決まっているからです。ここに一人の人が登場します。ヨハネさんです。ヨハネさんは、人々にこれからみんなが待ち続けた方がやって来られます。そのために皆さんで準備をしましょう、と呼びかけました。そのために必要なことは、心を平らにすること、心を穏やかにすること、皆と分け合う事だ、と教えました。そうでないと、大切な人が来られても、わたしたちは見逃してしまうから、大事な出会いを失ってしまうからです。アブラハムさんたちは、旅人をもてなしました。大事な人がやって来ているかもしれないからです。これからも私たちが毎日出会う人々の中には、私たちの人生にとって大事な人がいっぱいでしょう。どうぞ心を平らにして、心を穏やかにして、大事な出会いが受け止められます様に。大切な人との出会いが、皆さんの人生を、お仕事を豊かにしてくださいますように。神様はわたしたちを平和に、幸福にすることのために働いてくれています。それが神様の私たちとの約束だからです。